基本情報技術者試験という言葉を聞いたことありませんか?
基本情報技術者は理系だけでなく文系出身でも有意義な資格です。この記事では基本情報技術者試験とは何か?を中心にまとめました。
勉強方法は科目A/Bで分けて記事にしました。併せて参考にしてください!
まとめ
- ITの広い知識やセキュリティ・アルゴリズムの知識が身につく資格である
- 科目Aと科目Bの2科目があり、それぞれ6割の得点で合格
- 合格率は40~50%程度
- 科目免除制度はあるが、あまり期待しない方がよい
基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験はIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が運営する経済産業省の国家試験です。
現在13種類ある試験のうち中級レベルの試験で、ITの広い知識やセキュリティ・アルゴリズムの知識の習得に役立つことが出来ます。「IT分野に精通していきたい方」や「情報システム部門や開発部門で実務をしている方」向けの資格です。ITに自信がない方は一つ下のレベルの「ITパスポート試験」からチャレンジをした方が良いでしょう。
ITを活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な基本的知識・技能をもち、実践的な活用能力を身に付けた者
https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/fe.html
また、情報処理技術者試験の全体像や有用性について以下記事でまとめました
試験方法
試験方法を箇条書きで要点だけまとめました。
- CBT方式(パソコンで解答する方式)
- 科目A(短文問題)と科目B(長文問題)の2科目
- 科目Aは90分で問題数は60問
- 科目Bは100分で問題数は20問
- 試験会場は全国47都道府県で開催(テストセンター等が多い)
- 受験料は7,500円(税込)
詳細や受験申込は以下のIPAサイトを参照ください。https://www.ipa.go.jp/shiken/mousikomi/cbt_sg_fe.html
試験範囲
「テクノロジ系」「マネジメント系」「ストラテジ系」の3分野が試験範囲です。
科目Aでは60問のうち、「テクノロジ系が6割」「マネジメント系が1割」「ストラテジ系が3割」の構成です。
科目Bでは20問のうち、「情報セキュリティが4問」「データ構造及びアルゴリズムが16問」出題です。
出題分野が違うように見えますが、科目Bは科目Aの学習範囲内に含まれています。つまり、科目Aを学習すれば科目Bも得点がとれます。
この内容はIPAの試験要綱をサマリした内容です。詳細が気になる場合はIPAサイトを参照ください!https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/gaiyou.html
それではテクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系について見ていきましょう。
テクノロジ系(科目Aの6割)
「アルゴリズムとプログラミング」と「セキュリティ」を重点的に勉強しましょう!
- 基礎理論(基礎理論・アルゴリズムとプログラミング(科目Bにも出題))
- コンピューターシステム(コンピューターシステム要素・システム構成要素・ソフトウェア・ハードウェア)
- 技術要素(ユーザーインターフェース・情報メディア・データベース・ネットワーク・セキュリティ(科目Aの重点範囲・科目Bにも出題)
- 開発技術(システム開発技術・ソフトウェア開発管理技術)
マネジメント系(科目Aの1割)
- プロジェクトマネジメント
- サービスマネジメント(サービスマネジメント・システム監査)
余談ですが、プロジェクトマネジメントは日々の業務に活かせると思います。知識を身に着けるだけで、プロジェクトを上手く進行させるためにどうしたらいいか?を体系的に理解することができます!
ストラテジ系(科目Aの3割)
- システム戦略(システム戦略・システム企画)
- 経営戦略(経営戦略マネジメント・技術戦略マネジメント・ビジネスインダストリ)
- 企業と法務(企業活動・法務)
文系出身でも理解しやすい内容です。この分野で高得点をとれるように狙うようにしましょう!
合格点と試験難易度
科目Aと科目B共に1000点満点中600点でが合格点で、科目Aと科目Bを両方を合格する必要があります。
試験の難易度は中級。アルゴリズムが鍵となります。
- 科目A → 範囲は広いが用語の暗記で正解できる問題が多い。過去問が良く出題される。
- 科目B → アルゴリズムにつまずく可能性あり。アルゴリズムに苦手だと工夫が必要。
合格率は2019年までは20~30%程度でしたが、2020年以降は40~50%に上昇しています。試験方法や出題範囲の変更が影響しています。
試験時期
年間を通して受験することが可能です。
基本情報技術者試験合格で身につくスキルは?
基本情報技術者試験では、以下3点が身に付くことが出来ます。
- ITに関する広範囲な知識
- 企業活動の経営戦略に関わる知識
- アルゴリズムとセキュリティの知識
情報システム部門が必要な知識と思われがちですが、企業活動で必要な重要事項が多く含まれています。知識を持っているだけで活躍ができる可能性があります。
私は資格取得してから、日々の業務で何となく行ってきたことの振り返りや、困っていたことを体系的に進めることが出来たと実感をしました。
基本情報技術者試験は意味がないのか?(応用情報技術者試験に比べて)
まとめサイトやSNSで「基本情報技術者試験は意味がない。応用情報技術者試験からやった方が効率的だ。」という意見を見かけたことありませんか?
この部分について、基本情報技術者試験と応用情報技術者試験の両方を受けてどちらも合格した感想を書きます。
私の結論は、「人によりけり」です。中途半端な意見に見えますが、「実務経験」「理系/文系」によって大きく左右されていて、当てになりませんでした。その理由を以下です。
難易度と出題範囲が違う
「基本情報は意味がない」という声が一定数ある理由は、
まず初めに、科目A(応用情報の午前試験)の出題範囲が応用情報と同じだからです。基礎知識をちゃんと身に着けていれば応用情報の午前試験は十分合格可能です。
次に、基本情報の科目Bはアルゴリズムが苦手だと壊滅的な結果になります。一方、応用情報の午後試験はセキュリティのみが必須で、アルゴリズムは選択科目です。応用情報ではアルゴリズムが苦手なら選択しなければいいのです。
この2つの理由から応用情報から挑戦する受験者が一定数います。
しかし、応用情報は名前の通り、問題の難易度は基本情報より高く、学習時間も多く必要です。
情報システム部門や開発部門に所属している人であれば、応用情報からの挑戦でもすんなりといくかもしれませんが、それ以外の方は基本情報から着実に合格を目指した方が王道だと思います。
ただ、アルゴリズムが全く理解できない場合は、応用情報からの受験も一つの手です。(裏技くらいの気持ち的で考えてください)
応用情報技術者試験の午後試験は筆記である
応用情報より上位資格の午後試験は筆記試験です。
一部、選択問題もあるものの、基本は記述です。解答を自分の言葉で書く必要があり、知識が定着していないと合格は出来ません。
私は基本情報→応用情報と着実にステップアップすることを推奨しています。実際に基本情報合格してからは、そこまで応用情報を勉強せずとも合格できました。(私はアルゴリズムが超苦手人間でした。)
科目Aの試験免除制度について
講座の受講&修了試験の合格で、科目Aを受けなくても合格できる制度があります。
ラッキーと思った方が大半ではないでしょうか?しかし、メリットはないです。
- それなりの受講料がかかる
- 結局、修了試験がある(難易度は本試験と同程度)
IPAに認定された講座を受講し、修了試験に合格する(修了認定の基準を満たす)ことによって、基本情報技術者試験の科目A試験が免除される制度です。
https://www.ipa.go.jp/shiken/about/menjo-fe.html
お金かけて修了試験を受けるのであれば意味はありません。基本情報の科目Aはちゃんと勉強をすれば受かるので通常通り受けた方がいいでしょう!
最後に
中級IT系国家資格の基本情報技術者試験にチャレンジしてみませんか?どんな職種でもキャリアアップに繋がるはずです。IT技術を理解し正しく活用することで日々の業務にも生かすことができます。
↓にお薦め教科書を載せましたので参考にしてください!むやみやたらに教科書は買わずに1冊で十分です。問題集は過去問道場(https://www.fe-siken.com/fekakomon.php)がお勧めです。