「情報処理技術者試験を受けた方がいい!」という声を耳にしたことがありませんか?しかし、いきなり聞いても、どんな試験かすらわからない人が多いのではないでしょうか。
もし、試験内容を知っていても、「役に立つ」か不安ですよね。貴重な時間をかけて勉強をするのであれば、有用な資格であってほしいですよね。
この記事は、その不安に役立つように、情報処理技術者試験が「どのようなものか?」「有用か?」という記事です。
まとめ
- 「情報処理技術者試験」は国家資格である
- 情報処理技術者試験はキャリアアップに繋がる役立つ資格である
- IT初心者向けのおすすめ資格は「ITパスポート試験」と「情報セキュリティマネジメント試験」である
「情報処理技術者試験」とは?
「情報処理技術者試験」はIPAが運営するIT関連の代表的な国家試験です。13種類(2024年11月時点)の試験で構成されており、情報関連の知識や技能が一定水準以上あることを証明できる資格です。情報システムの管理者から利用者までが対象で、初心者向けから高度な資格まで幅広い試験があるのが特徴です。
- ITパスポート試験(IP)
- 情報セキュリティマネジメント試験(SG)
- 基本情報技術者試験(FE)
- 応用情報技術者水圏(AP)
- ITストラテジスト試験(ST)
- システムアーキテクト試験(SA)
- プロジェクトマネージャ試験(PM)
- ネットワークスペシャリスト試験(NW)
- データベーススペシャリスト試験(DB)
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
- ITサービスマネージャー試験(SM)
- システム監査技術者試験(AU)
- 情報処理安全確保支援士試験(SC)
引用元 https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/list.html
(参考)IPAとは何か?
情報処理技術者試験の運営組織のIPAについて簡単に紹介します。IPAと聞くと、ビールの「インディアペールエール」や化学物質の「イソプロパノール」など、いろいろ思い浮かぶかもしれません。
日本のIT業界でのIPAは「独立行政法人情報処理推進機構(Information-technology Promotion Agency, Japan)」のことです。
参考にIPA機構概要をIPAサイトから抜粋しました。
IPAは、絶え間なく進化するIT社会の潮流や技術動向を広い視野で捉え、社会課題の解決や産業の発展につながる指針を示していくとともに、情報セキュリティ対策の強化や、優れたIT人材を育成するための活動に取り組み、安全で利便性の高い“頼れるIT社会”の実現に貢献してまいります。
要するに、「IT社会の情報セキュリティ強化やIT人材の育成に取り組む」ことをしている組織です。
「情報処理技術者試験」はIT資格として有用か?
さて本題のIT資格として役立つかの考察です。私は「かなり役立つ資格」であると考えています。理由についてまとめました。
キャリアアップに役立つ
企業活動はさまざまなIT技術に支えられています。企業にとって、従業員がIT技術を正しく活用をすることで、業務効率化などのさまざまなメリットがあり、従業員のITリテラシーを高めたいと考えています。
情報処理技術者試験は、情報関連の知識や技能が一定水準以上あることを証明できる資格です。企業側にとって従業員がどれくらいのITレベルであるかを図りやすい資格です。
そういった背景から、昇給や転職時に役立つ有用な資格だと言えるでしょう。
IT分野とレベルが体系的に示されている
情報処理技術者試験には13種類の試験があります。それらの試験は、初心者向けから高度な試験まで「対象者のレベル」と「必要なスキル」が設定されています。自分自身のスキルに合わせて、無理なく段階的にレベルアップすることができる資格です。
資格に有効期限が無い
情報処理技術者試験には合格後、資格の有効期限はありません。
IT関連の多くの資格は有効期限が設定されており、一度合格をしても資格維持のためには定期的な試験の受験が必要です。資格維持するためにコスト(時間やお金)をかける必要があります。
もし、資格を失効しても構わないと思うかもしれません。ただその場合は、転職検討時に、保有資格を履歴書に記載できないなどのデメリットがあるので注意が必要です。
しかし、情報処理技術者試験は、一度合格をすれば資格を取り直す必要がありません。つまり、中長期的なキャリアを築くためにも有用な資格です。
必要な知識が汎用的である
IT関連資格の大半が民間資格です。民間資格は民間企業が運営している性質上、その企業の製品やサービスに試験範囲が依存をしている場合が多く見受けられます。
例えば、google/AWS/Microsoft/Ciscoなどの資格がそれにあたります。こういった資格はその製品に特化している内容のため、必ずしも一般的なな内容ではありません。その製品だけを扱うのであれば良いですが、まずは汎用的な知識を身につけてから、そういった資格を取得した方が効率よく学習が進められるでしょう。
情報処理技術者試験は、製品やサービスに依存をしていない、汎用的な知識や技能を身につけることができるため有用です。
初めて社会人が受験する時のお勧めの資格は?
情報処理技術者試験に興味があっても、どこからやってみればいいかわからない人・新社会人・ITに自信がない人はどこから目指したら良いでしょう?
結論は、「ITパスポート試験」「情報セキュリティマネジメント試験」の2つにチャレンジしてみましょう。
ITパスポート
ITパスポートは企業で働くために必要な初歩的な知識を幅広く習得できます。
ITの知識だけでなく、「企業法務」「会計」「マーケティング」などのITに直接かかわらないと思うような分野も試験に含まれるためお勧めです。
また、勉強も2~3週間程度で合格が十分可能でチャレンジしやすい資格となっています。
情報セキュリティマネジメント
情報セキュリティマネジメント試験は、試験範囲が広いITパスポートから少しレベルアップし、さらにセキュリティに特化した試験です。
セキュリティは情報システム部門でしか使わないかとも考えるかもしれません。しかし、昨今、情報漏洩やサイバーテロなど多くのニュースで取り上げられるように、今ホットな分野で、最低限のセキュリティ知識は全社会人に要求をされる時代です。
企業側もセキュリティの知識や技能を持っている従業員を増やしたいと考えているため、チャレンジしてみてください。
最後に
情報処理技術者試験は、IT関連の国家試験としてとても有用な資格です。初心者向けでもチャレンジしやすい「ITパスポート」や「情報マネジメント試験」から、専門性の高いスペシャリストの資格まで幅広く用意しています。キャリアアップに繋がる資格ですので、是非合格を目指して頑張ってみてください!